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変わった構成で作られた小説②

表と裏の物語

世界中には変わった構成で作られた小説がたくさんあります。
普通の小説では読み飽きてしまったという方におすすめの一冊が、「風の裏側」という本です。
副題としてヘーローとレアンドロスの物語とされていることからもわかるように、二人の登場人物が主人公になっています。
ここまでは普通の小説と変わりないですが、変わった構成とされているのは造本の仕方にあります。

本の真ん中にあるページが境になっていて、それぞれの物語が逆さまになって印刷されているのです。
表と裏の物語のどちらから読んでも良いですが、それぞれの物語が組み合わさるとどんな展開が待ち受けているのか…が楽しみな展開と言えます。
著者はセルビア人の小説家であるミロラド・パヴィチで、彼は通常の小説とは異なる作品を発表しているのが特徴です。
最初から最後まで通して読むという従来の構成ではない作品ばかりであることが面白いです。

参考:時の海を渡って  ミロラド・パヴィチ『風の裏側』

二人の主人公について

物語の中心人物となるのが、17世紀の石工だったレアンドロスという青年と、現在の女子大生であるヘーローです。
どちらから読むにもお好みですが、まずはレアンドロスの物語のあらすじをご紹介します。

レアンドロスが生きていた頃は各地で戦争が頻発していたことで運命に翻弄される人生を歩んでいました。
先祖代々石工として生きていきた家系に生まれたことで石工技術を身につけたレアンドロスでしたが、運命に導かれるようにして楽器奏者や商人へと変わって冒険を繰り広げていくという物語になっています。

一方、現代の女子大生であるヘーローの物語は、少し人と変わっている性格で不思議な日常生活が描かれています。
家庭教師をしている家で不思議な体験をすることになります。
本当は二人の子供に指導するはずだったのに、いつも勉強をしに来るのは一人だけなので、もう一人はどこへ行ってしまったのか…という謎が残ります。

実はこの物語の主人公二人は、古代ギリシア神話に登場するレアンドロスとヘーローが生まれ変わったという設定になっています。
古代ギリシア神話では海峡を隔てた場所に住んでいた二人ですが、毎晩彼女のヘーローに会うためにレアンドロスが海峡を泳いで渡っていたとされています。
しかし、ある時冬の嵐に巻き込まれてレアンドロスは溺死するという事態になり、ヘーローも後を追うようにして海に身を投げたという悲恋物語が元になっているそうです。

小説に登場する二人は海峡ではなく、時代に隔てられる形で生まれ変わっていますが、この二人がどのように再会することになるのか…が見どころといえます。
本の真ん中で物語を分けている水色の紙が実は古代ギリシア神話に登場する海峡をイメージしていると考えられます。

変わった構成で作られた小説

本が間違っている?と思わせる構成

変わった構成で作られた小説の一つとしてご紹介したいのが「アイコレクター」というフィツェック・セバスチャンというドイツの作家さんが書いた小説です。
著者はドイツでは有名なベストセラーを記録している有名作家で、治療島やラジオ・キラーなどの話題になった作品を数多く輩出しています。
本作は通常の書籍とは異なる構成になっているため、ひょっとしたら製本の際に間違いがあったのではないかと思えてきます。
これは本の内容に通じることなので、決して製本が間違っていたわけではありません。

参考:アイコレクター

編集部からの注意書き

本を手に取ると、編集部からの注意書きとして、この本は章立てとノンブルが逆になっていると記載されています。
ちなみにノンブルとは本のページ数を示す数字のことです。
通常の本なら表紙から見て1ページ、2ページ…と進んでいくものですが、この本に関しては表紙を開くといきなりエピローグつまり小説の終わり部分から始まって、最後の405ページからノンブルが開始されていくという仕様になっています。

思わず表紙と裏表紙が逆なのかな?と思えてきて、本を読んでいないうちから出版社に製本が間違っているとクレームを入れたくなってしまいますが、実はこれがこの本の大きな狙いになっています。
物語も時系列が逆になっているというものではないので、通常の本と同じように読み進めていきましょう。
最後まで読み終えた時に、このような珍しい構成になっている理由が見えてくるはずです。

あらすじ

物語の中心になるのは、ベルリンの誰もが震撼するような連続殺人事件です。
まず子供を誘拐して母親を殺害、犯人が設定した制限時間内に父親が探しだすことに成功しなければ子供も殺害するという連続殺人事件が発生していました。
しかも、殺害された子供の目がえぐり取られた状態になっていたことから、犯人のことをアイコレクター・目の収集人と呼んでいました。

元はベルリン警察で勤務していた主人公のツォルバッハは交渉人としいう役割がありました。
交渉人として勤務していた際に犯人の女性をやむを得なく殺害してしまったことを悔やみ警察を辞めて新聞記者に転身していました。
そんな主人公の前にアイコレクターが現れて、罠にかかって容疑者に仕立てあげられてしまいます。

透視能力がある盲目の女性に助けられて調査を進めて、新たな犠牲者になりかけている子供を救おうと奮闘しますが、更に主人公とアイコレクターの繋がりが明らかになってきてハラハラする展開が待ち受けています。
物語の結末がどうなったのかを想像してみると、エピローグで語られている暗い印象が結末を物語っているような気がします。
物語の前半はわけのわからないうちに進行していくような印象を受けますが、後半になるにつれて時間を忘れるほど夢中になるはずです。

読書についての考え

新しい読書の時代へ

以前は紙の本しか存在していませんでしたが、現在は電子書籍が浸透したことで同じ本でも紙版と電子書籍版の両方が発売されるケースが増えています。
どちらの本を読んだとしても読書という形には変わりなく、新しい知識を吸収できるというメリットがあるものですが、時代の流れを感じて寂しいと感じてしまうのは自分だけではないはずです。

参考:読書が変わる? 紙の本が消える?

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紙の本が消える日は来るのか?

現在は書店に出かけると紙の本がたくさん陳列されていて、買い求めるお客さんも多いことから紙の本が無くなるという気配は感じられません。
やはり紙の本は読書をしているという感じがするけど、電子書籍は本を読んでいる感じがしないので嫌だとの意見が多いようです。
でも、電子書籍で読書をしている方の意見としては、たくさんの書籍をまとめて持ち歩ける手軽さを知ってしまうと手放せないとの意見もあります。
本をたくさん購入すると本棚のスペースを占拠することになるため、できるだけ家に物を置きたくないという方にとっては有利な選択肢といえます。

今後は更に電子書籍が活発に活用されることで、紙の本よりも電子書籍の利便性の良さにメリットを感じる人が増えてしまい、紙の書籍が消滅する時がやって来るのかもしれません。
しかし、紙の書籍には読書に最適なメリットも存在しているのは事実なので、そのことを忘れないでおきたいものです。

電子書籍のデメリット

メリットが多いとされる電子書籍ですが、読書としては弱点になる部分があることも事実です。
大きなデメリットとして考えられるのが、流し読みばかりすることで本の内容が全く頭に入らずに印象に残らない可能性があることです。
実際に紙をめくっているような感覚で操作できるように工夫されていますが、どうしても流し読みをしやすい操作性のため、パパっと読み進めて読書をしたという気になってしまう可能性が高いです。
あまり内容を考えようとしないまま読んでしまうことから、考える力が失われるのではないかとの懸念もあります。

また、ブルーライトの影響で視力が極端に低下するのではないかとの懸念があるため、どうしても電子書籍には親しみを持てないとの意見が根強く残っています。
電子書籍はタブレットやスマートフォン用のアプリを活用することになりますが、そもそもこれらの端末を購入したのは電子書籍を読むためではなく、仕事の業務で使用するため、電話機能を重視するためなどの目的だったため、読書をメインとして使用している方が少ない傾向があります。
特に日本人の場合タブレット端末などは電子書籍を読むだけに使用しているという方が少ないため、紙の本が圧倒的な支持を得ていることは間違いありません。

今後は紙と電子書籍がどちらも残っていくとの見方があるため、それぞれのライフスタイルに合わせた読書が実現すると考えられます。