青春時代の思いがよみがえる一冊
海外で愛され続けている名作と呼ばれる本を読んでいると、確かに内容が面白いなと納得させられるものですが、今回は英語の読書として基本中の基本とも言える超有名な小説「ライ麦畑でつかまえて」についてご紹介します。
この作品を読んだことはないけど、タイトルは耳にした経験があるという方も多いはずです。
初めて発表されたのは1951年のアメリカでしたが、その後瞬く間に世界中で大ヒットして累計発行部数が6千万部以上という驚異的なベストセラー作品となった小説です。
青春小説の代表的存在として扱われていますが、実は過激な内容が多かったことから発売当時は発売禁止になったこともあったそうです。
若者の心を捉える理由
世界中で若い世代を中心に支持される作品となったのは、主人公が今で言う典型的な中二病の少年だったからだと考えられます。
思春期の頃は何に対しても苛立ちを感じたり、理由もわからないうちに葛藤し続け思い悩んだ経験があるという方も多いはずです。
大人からすると「そんな事で悩むなんてくだらない」と一蹴されるようなことでも、ティーンズ世代にとっては重大な問題で青春という言葉だけでは片付けられない事がたくさんあるものです。
そんな青臭さを巧みに取り入れている所が共感を生んだと考えられます。
物語の主人公であるホールデン・コールフィールドは至って普通の少年です。
特別な容姿や特技を持っているわけではなく、ケンカはからきしダメで体も弱い、達者なのは口だけでいざ行動をとろうとすると緊張のあまりうまくいかずに何もできないというひ弱な少年でした。
そんな彼は成績が悪かったことを理由として退学処分になり、自分は落ちこぼれになってしまったことに疎外感を持っていました。
かなり誇大妄想をする性格で、自分を過大評価する傾向があったようです。
こんな主人公の気持ちや考え方がたくさん語られるようにして書かれているのが特徴の作品です。
最終的にはどんなストーリーだったのか?と思えるくらい中身がなかったように感じられるかもしれませんが10代の多感な時期の少年が大人に対して全てインチキだと攻撃するような感情を抱いている様子がひしひしと伝わってくる内容です。
若い世代に対して大きな影響を与えたとされる本作は、発売から60年以上経った今でも若者の心を捉え続けています。
実際に世界各国では年間20万部以上は売れ続けていると言われていることから、発売当時若者だった子供や孫の世代にも受け入れられる作品になっています。
逆に若い頃は夢中になって本作を読んでいたという大人も、10代の頃を思いだしながらもう一度本作を読み返してみるのもおすすめですよ。
読書をするとその場所に行きたくなる
個人的に読書をするとその場にいきたくなります。
それが遠い場所であればあるほど、本の中で読んだ世界が本当にそこにあるのかということを知りたくなるからです。
高校生の時にまさにライ麦畑でつかまえてを読んで、物語であるニューヨークへの関心も高まりました。
かなり熱心なファンとなりアメリカ留学も本気で考えたほどです。
結局、アメリカ留学をしようと色々頑張ろうとするのですが、実力が伴わないことと金銭面的に断念したちょっと切ない思いでもあります。
その代わりにというわけではないのですが、年の離れた弟が高校生になってアメリカ留学をしたいといったのでどうにか実現させるべく色々調べて、NCN米国大学機構の高校生からアメリカ留学できる制度を使って行かせることができました。
自分では叶えられなかった夢を弟が引き継いでくれたようで本当にうれしかったですし、とても優秀な弟を持ててよかったなともあの時思いました。
時代が変わっても青春時代の自分はどうだったのかと思い出させてくれる作品は他にはなかなかないでしょう。ぜひ読んで見てはいかがでしょうか。
参考 >>
ライ麦畑でつかまえて Wikipedia